vol.71
- 後継者を大切に育てるため「日本教材大学講座」開設を
- 一般社団法人全国図書教材協議会名誉会長
- 清水 厚実
戦後の我が国の民主主義教育を支え発展させるため重要な役割を果たしてきた図書教材業界を恒久的に守り発展させるため、その重要な事業として後継者の育成を真剣に考え、実現してほしいものと考えている。
最近は電子教材だ、IT教材だといろいろいわれているが、小・中学校教育にとっては、それらの新しいものに合わせ、図書教材の活用こそがもっとも便利であり有効であるといわれており、教育学者や各教科の学者、多くの教師が均しく認めているところである。
そこで、提案したいのは、図書教材を作る立場にある出版社の社員並びに全国の小・中学校と、その児童・生徒の家庭に図書教材を普及・販売している販売店の社員を対象に、日本教材大学講座を開設し、後継者の育成を業界として真剣に考えてほしいことである。
具体的には、日本教材大学講座として①図書教材についての法律上並びに教育上の基本的知識の修得、②図書教材作りについての知識や技術の修得、③図書教材の普及、販売についての知識や技術の修得、④出版社、販売店の経営、営業、人事管理などについての知識や技術の修得―などについて学習し、業務に携わってほしいものと考えている。
研修期間は二年間とし、一年を修了したものには二級資格として「教材学士」を、二年を修了したものには一級資格として「教材修士」の称号をそれぞれ与える。
この講座を修了し資格を取ったものは、図書教材業界の指導者として、業界の維持・発展に指導的役割を果たしてもらうようにする。
平成二十三年は、いよいよ新しい学習指導要領が全面的に実施され「生きる力」を身につける学習が始まろうとしているだけに、業界としても将来を展望し、ぜひ実現してほしいものと念願している。
〜図書教材新報vol.71(平成23年3月発行)巻頭言より〜